皆様初めまして。実行委員長の井手田凌です。今回は、実行委員長としての記事ではなく、一人の学生として記事を書く機会を頂きましたので、医学科5年生の生活を紹介したいと思います。
医学科5年生は、1年間をかけて臨床修練を行います。病院実習、ポリクリ、SGT(Small Group Teaching)などとも呼ばれます。1~4年生の間は座学が中心でしたが、5年生からは実際に病院に入り、患者さんと接することを通して、4年間で得た知識を更に深めていく、貴重な機会を頂けます。医療者側から見た我々は、まだまだ学びの道半ばの立場ですが、患者さんからすると、白衣を着た我々が医療従事者に見えても不思議はありません。そのため、患者さんに失礼のないよう医療チームの一員としての振る舞いを心がける日々となり、非常に身が引き締まる思いです。緊張する場面も多々ありますが、将来より良い医療者になるべく、仲間達から、先生方から、そして何より患者さんから学ばせていただく日々は、非常に充実したものです。
さて、ここからは少し踏み込んで、実習の中身についてご説明いたします。他の記事のように、曜日ごとに分けて解説できれば良いのですが、臨床修練のスケジュールは、実習させていただく科によって大きく異なります。そのため、多くの科で共通する実習内容について、いくつか取り上げてご紹介します。
どの科であっても経験することとして、まずは回診があります。入院中の患者さんのご様子を伺いに行く時間です。先生方の声掛けの仕方や、患者さんとの接し方を学びます。また、学生なりに患者さんのご様子を見させていただき、お変わりがないかなどに目を配り、耳を傾けます。続いて、問診です。大学病院では、患者さんの許可をいただいて、医学生がお話をお聞きして、カルテにまとめる、といった機会があります。緊張する場面ではありますが、学生にとっては実習の一環だったとしても、患者さんにとっては貴重な時間を割いて病院に来て、ご自身の病状を話す大切な機会です。経験が浅く未熟ながらも、知識が及ばないながらも、患者さんの今後の治療が少しでも上手くいくよう、全力で患者さんのお話に耳を傾けます。先生も見守ってくださるので、心強いです。更に、医師や医療スタッフの方々による会議(カンファレンスとも呼びます)に参加する機会もあります。座学で学んだ単語だけでなく、その科の専門的な略語も飛び交うので、内容を理解するだけでも精一杯ということも多いです。それでも、少しでも学びを増やせるよう、メモを取ったり調べたりしながら参加しています。最後に、手術見学です。実際に手術室に入らせていただき、手術の様子を見せていただきます。単に病名と手術名だけを学ぶのとは違って、実際の手術の光景を見ながらの学びは強く頭に残ります。
医学科5年生では、このように今までの座学とは違った内容の学びをすることができます。大変なときもありますが、少しずつ、ほんの少しずつではありますが、医師に近付いている実感が出来るので、非常に楽しく、充実した日々です。一緒に学ぶ仲間達、優しく熱心に教えてくださる先生方、何より未熟な我々がチーム医療に参加することをお許しくださり、ご協力くださる患者さん達のおかげで、この実習は成り立ちます。常に感謝の気持ちを忘れず、今後も真摯に学び続けたいと思います。
それでは、今回はこの辺で失礼いたします。今後も色々な記事を更新していく予定ですので、ぜひご確認いただければ幸いです。ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。