今年(2022年)開催される東北大学医学祭。
第25回を迎えるこのイベントの顔となるのが、実行委員長を務める井手田凌さん(医学部医学科4年生:取材当時)だ。
80人を超える実行委員を統括する実行委員長という立場にある井手田さんに、医学祭全体についての想いを取材した。
〜医学祭開催に向けて活動できている今現在の率直な気持ちを教えてください〜
まずは「よかったな」と思っています。
やはりこの2年間、新型コロナウイルスの影響がさまざまなところに現れてきたので、この医学祭もどういう形で開催できるのかわからず、どうしようかなと思う時期もありました。
しかし、医学祭に限らず日頃の授業・学習などにおいても、オンラインの技術を駆使して、離れていても繋がることのできる、そういった技術というか、流れ、雰囲気のようなものが世の中に出てきています。
それを生かして、まさに今医学祭実行委員のメンバーがさまざまな工夫を考えながら動いてくれています。
どのような形になるかはまだわかりませんが、この時代だからこその医学祭を開催できるのではないか、と非常に楽しみにしているところです。
〜今回のテーマ「Connect 〜私と医療と世界と〜」にはどのような想いが込められていますか〜
なかなか物理的に人に会いにくい時代になってしまったので、人と人との距離が離れてしまう不安、寂しさといったものが皆様一人ひとりの中にあると思います。
そういった中でも先ほど述べたようなオンラインで繋がる新しい技術のおかげで、「せめて心の距離は離れないように」ということができるようになってきました。
医学祭についても、例年通り沢山のお客様にキャンパスへご来場いただければそれは一番喜ばしいことですがそのような開催が難しいことも考えられます。
ただ、たとえそうなって物理的に離れてしまっても心の距離は近くにあってほしい。
そして医学祭が心の距離を縮めるお手伝いをしたい、という想いが込められています。
そしてそれはご来場の皆様と私たち、及び東北大学の距離だけではなく、皆様に医療というものをより身近に感じていただきたい、という想いもこめてこのテーマに決定しました。

〜前回(2019年10月)も実行委員として参加されている井手田さんですが、今回、実行委員長としてどのように医学祭と関わっていますか〜
学生生活や大学の研究成果を知っていただくことで、医療を身近に感じていただくための場を作りたい、という気持ちは前回と変わりません。
それに加えて今回は実行委員長という立場で参加していますので、もう少し全体を俯瞰してバランスを考えるように努めております。
例えば企画内容に偏りがないか、より多くの人に楽しんでいただくためにはどうすれば良いか、実行委員の間でのスムーズな連携のためには何が必要か、などですね。
委員長という立場を任せていただいた以上、良いものを届けるだけでなく、メンバー一人一人が最大限実力を発揮できるような環境づくりをしたいと思っています。
ご来場の皆様と開催する私たち、双方の楽しみを最大化したい、という気持ちは実行委員長を務める今回ならではの気持ちですね。
〜医学祭全体について、前回との違いや、前回にはなかった運営上の工夫などがあれば教えてください〜
やはり新型コロナウイルスの影響は語らずにはいられません。
つい先日(編集追記:取材日は2021年12月23日)もオミクロン株の市中感染疑いが日本国内にも現れるなど、状況が目まぐるしく変わる世の中になり、来月再来月のことなど予想がつかない状態が長く続いています。
そのような中でも手探りで準備を進めていかなければならないのは前回との大きな違いだと思います。
前回も、1日目(2019年10月12日)に台風19号により中止に追い込まれるというトラブルはありました。
それと比べると今回は、変化はあるもののある程度の対策を立てることが可能ですので、様々なパターンを想定しながら実行委員のメンバーと協力して企画準備をしているというのは今回の運営上の工夫と言っても良いかもしれません。
また、オンラインで繋がる技術を活用しているというのも今回からの工夫ですね。
通話アプリを使って定期ミーティングを実施したり、ビジネスチャットツールを使って議事録や情報を共有したりしています。
〜最後に、医学祭の宣伝をお願いします〜
ご来場の皆様には医療を身近なものとして感じていただきたいです。
つまり、医療は決して怪我や病気を抱えた人だけのものではなく、皆様の生活の一部にある要素だということです。
医学祭を通じて、何か少しでも日常に取り入れることのできるものを持ち帰っていただけたらな、と思っております。
総務や各企画の班長をはじめ、実行委員にはアイデアや実行力を兼ね揃えたメンバーが揃っています。
彼らが工夫を凝らした企画をまずは楽しんでもらって、その上でご自分の生活に役立つエッセンスのようなものを見つけていただけたら幸いです。
この医学祭は全学の学園祭である東北大学祭とはまた違ったイベントなので、医学祭ならでは、と思えるようなお土産をお持ち帰りいただければと思っております。